こんにちは、元就労移行支援員のこーすぴです。
通所を始めても自分に就労移行支援は必要ないのでは?と悩む人は少なくありません。
プログラム内容が単純だったり、スタッフが頼りないと感じることから「このまま通っていても就職に役立たないのではないか」と疑問を持つのです。
たしかに就労移行支援のプログラムを退屈に思う人がいるのもわかりますし、スタッフも資格があるわけではないので場所によってはそういうところもあるでしょう。
この記事では、就労移行支援を利用する意味について元就労移行支援員の私が紹介していこうと思います。
意味がないと思ってる人の言い分についてまとめる
まずは意味がないと思ってる人がなぜそう思っているのかをまとめていきます。
1.プログラムが就職に結びつく気がしない
プログラムでの軽作業、簡単なコミュニケーション方法など、「そんなことやって何の意味があるの?」とプログラム自体に意味を見出せない人。
私も指導する側として、「やっていて意味あるのかな?」と思うプログラムはありました。
なるべく、そうならないようにプログラムを組んでいましたし、楽しんでもらえるように努めていました。
ただ、利用している人は年齢も性別も障害も職歴も異なるので、全員に合わせるのは難しく、人によってはつまらないプログラムになっていたんだろうなと思っていました。
専門的すぎるとついていけない人がいて、簡単すぎるものでは退屈に思う人が出てきます。
一番の理想は個々に別のプログラムを受けてもらうことですが、私の就労移行支援事業所では現実的に難しかったです。
ですので、解決方法としては就労移行支援の選択時に自分に合うところを選ぶことです。あとは個別に勉強や作業ができるところだと、退屈なプログラムを受けなくて良いでしょう。
2.仕事を紹介してくれない
「毎日通っていても仕事を紹介してくれない。何のために通ってるの?」と悩む人。
よくある勘違いで就労移行支援は仕事を斡旋してくれる場所だと思ってる人がいます。
基本的に就労移行支援は仕事を斡旋する就職・転職支援サービスではございません。
中には別事業として就職・転職支援サービスを行っているところもあります。就職に力を入れたいという人はそういった就労移行支援事業所を選びましょう。
大抵の就労移行支援事業所はハローワークの求人を薦める程度です。
仕事を紹介してくれることが目的だと思ってる人は就労移行支援に通っていても物足りなさを感じるでしょう。
訓練は必要なく、ただ仕事を紹介して欲しいという人は下記のようなサービスに登録をしましょう。
障害者転職支援サービスについてまとめましたので、よかったらご覧ください。
障害者対象おすすめの転職エージェントは?就労移行支援との違いも紹介
これらは求職者と企業の間に入って、仕事の紹介をしてくれるサービスです。就職活動のサポートもしてくれるので今すぐ就職したいという方はこちらの方が合っていると思います。どちらも障害者手帳を持っていることが必須で、無料で利用可能(企業から紹介料をもらっているため)です。
現在就労移行支援を利用している人は担当の人に相談してから利用するかどうか決めましょう。
3.お金がもらえない
お金に対して不満を持っている人もいるでしょう。
就労移行支援にいくら通ってもお金は一切もらえません。企業実習にいったときに場合によってはもらえることもあります。
就労移行支援は仕事ではないのでお金をもらえないのは当たり前のことなのですが、不満に思っている人の中には「事業所側だけ儲けてる」と考える人がいます。
就労移行支援は利用者からお金をもらうことはほとんどなく、国からの助成金で経営が成り立っています。
各利用者の利用日数によってもらえる助成金が異なり、その他にも様々な手当(加算)があります。
利用者に毎日通ってもらったほうが国からお金をたくさんもらえるのです。
それを聞くとどう思いますか?なんか利用されている気持ちになると思います。不満に思っている人もそれが原因でしょう。
元就労移行支援員の一意見として、就労移行の職員は「ビジネスのために利用している」という気持ちは一切ないと思っています。
経営者や上層部はビジネスとして考えている人もいるかもしれません。ただ、身近の職員は国からいくら金が入ろうと関係のない話です。
私も周りの職員も利用者のことを第一に思って動いていました。
お金のことについて嫌な気持ちになる人は考え方を変えてみてください。
支援を無料(人によっては有料の場合もある)で受けられているのは、国の援助があるからということ。たくさん就労移行支援事業所ができることで選択肢が広がること。定員オーバーが少なくなることなど、利用する側にもメリットがあります。
それでも利用されていると考えてしまう人は無理して通う必要はないと思います。
就労移行支援を利用する意味がある人
続いて、就労移行支援を利用する意味について考えていきましょう。このような人は就労移行支援を利用する意味があります。
1.休まず安定して仕事に行く自信がまだない人
勤務形態によりますが仕事をするには毎日同じ時間に休まずに通勤できるようになっていなければなりません。
特に精神障害の方はそれが難しい人が多いです。
いきなり就職しても休みがちになってしまい、仕事が成り立たず、やむを得ず退職するといった負のループに陥ってしまうこともあります。
安定して通うことができるかの確認として就労移行支援に通うのも十分に意味があることなのです。
通うことが難しいとわかったら、そのまま通所を続けて通える状態にもっていきます。
安定して通うことに自信が無い人は利用しましょう。
2.就職活動をサポートしてもらいたい人
就労移行支援では就職活動に関する様々な支援が受けられます。
例えばこのようなことをサポートします。
- 履歴書添削
- 職務経歴書添削
- ハローワーク同行
- 合同面接会同行
- 面接同行
1人では心細い就職活動を共にしてくれるので、それだけで心強いです。
就職活動に自信が無い人は就労移行支援の意味があるでしょう。
3.就職後も仕事を続けていきたい人
2018年4月から就職後のサポートをしてくれる就労定着支援が始まりました。
仕事内容のこと、人間関係のこと、体力面のことなど、仕事を続けていくことに必要なことの悩みを聞き、サポートをします。
以前までは就労移行支援事業所が行っていましたが、現在は就職後半年は就労移行支援が、それから3年は就労定着支援が行うことになっています。
就職後、仕事の悩みを第三者に聞いてもらえるのは大変心強いので利用できるなら絶対に利用するべきサービスとなっています。
多くの就労定着支援は就労移行支援事業所が別事業として行っていることが多いです。
就労移行支援に通う意味はあなた次第で決まる
人はつい目先のことを考えてしまいがちです。
こんなことやっていて本当に意味があるのだろうか、自分はこのままでいいのだろうかと悩むこともあるかもしれません。
ですが長い目で見ればまた違った考えも出てくるはずです。「急がば回れ」です。
もし悩んでいることがあれば就労移行支援の職員に相談してみましょう。
それでも解決せず、納得がいかないのであれば別の事業所に移るというのも手です。相性はあると思うのでそれは仕方ないことです。
一番もったいないのはぐだぐだとサボりがちになってしまうことです。2年間という限られた時間があるので通うのが辛いのであれば利用日数を減らしてもらう、週1日も通うのが難しくなったら一度やめるのもいいでしょう。やめるのは別に悪いことではありません。
自分のペースで目標に向かって動き、達成できるといいですね。
コメント
プログラムがしっかりしているところに就職しないと後々後悔します。
障害別にプログラムを作るといいと思います。知的障害と精神障害が同じプログラムでやると精神障害の人はレベルが低いと感じてしまうと思います。知的障害は理解が難しいから簡単にしないと・・・
コメントありがとうございます。
見学や体験をするときにプログラム内容の確認は必須ですね。
「思ったてたの違う」となるとおっしゃる通り後悔することになりますね。
プログラムを分けるのは私も賛成です。
全ての障害を受け入れている事業所もありますが障害別に別れている就労移行もあるので、プログラムを重視したい人はそういった所がいいかもしれないですね。
就労経験ある人なら就労移行支援じゃなく職業訓練所行った方がいいと思います。
専門講師呼べない施設は、ほぼ自習と内職、代わり映えしないプログラムばかりだし、面談すら忙しいで逃げられるので交通費の無駄でしかないです。
>ななしさん
職業訓練校に通うのもいいですね!
職業訓練校に通った後に就労移行を利用する人もいれば、就労移行から職業訓練校に移る人もいました。
いろいろやってみて自分に一番あってる選択ができるといいですね。
そんな二度手間は全くもって無駄ではないでしょうか。
私は基本的に就労移行支援事業所のスタッフを信頼していたのですが、ここ数ヶ月で少し不信感を持ってしまいました。
私は体力がないのでそんなに通えないと言っているのに、職員がなぜかグイグイと週5回を勧めてくるのです。他の利用者にも、日数を増やすよう勧めていました。
勧め方がほんの少し不自然であるように感じ、「通う日数によって、役所から貰えるお金が違うのかもしれない」と思うようになりました。
こちらのページを見ましたら、実際、「利用者に毎日通ってもらったほうが国からお金をたくさんもらえる」との記述があり、やっぱり、と思いました。
この事だけで、私の通う事業所が収入のために日数を増やすことを勧めているのだと決め付けることは出来ません。が、私は不信感を抱いてしまいました。
(単に体力をつけさせるために日数を増やすことを勧めているのでは、と思われるかもしれませんが、そういう感じには見えませんでした。…と言っても説得力がないのは分かりますが。)
前々から思っていたのですが、福祉と営利団体はなじまないところがあると思うのです。
例えば、会社にとっての利益と、利用者の利益とが、対立することがあると思うのです。
今回でいえば、会社にとっては日数が増えることが良く、利用者の私にとっては日数がこのままの方が良いのです。私は無理に増やしたら、体調を崩してしまいます。
営利団体が福祉を行うという事には、メリットとデメリットがあると思います。ですが、今回はデメリットの方を強く感じてしまいました。
こちらの記事を見た上で不信感を抱いてしまったのであれば申し訳ございません。
グイグイ勧めてくるのは嫌ですね…。本人が一番自分の体のことわかってると思うので、増やしたくないとハッキリ伝えるしかないですね。
確かにおっしゃる通りだと思います。営利目的の事業所が増えること自体は完全に悪というわけではなく、利用する側にとっても選択肢が増えるので良いことだと思っています。
障害を持っている方で就職できている方はまだまだ数%しかいませんのでサポートする場が増えるだけでも前進してるのかなと思います。
ただ、利用者さんのことを第一に考えてほしいものですね、win-winの関係になれたら一番良いのですが…。
リタリコワークス
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